2011年5月8日

モンスター被災者

東電社長の福島訪問のニュースを見ていて、土下座のシーンでふと思ったのが、この世の中何でもモンスター〇〇の存在があるのだから、もしかしてあるのかな?と思い検索したらやっぱりヒット、「モンスター被災者」。
勿論極々少数の人であろうことは十分に承知しているのだが、とても残念な気持ちになったことは否めない。

震災後1ヶ月ほどたってからどこかの記者が人里はなれたメディアが足を運ばないような小さな被災地に、老人ばかりでほとんど犠牲者もなく生存している様子を取材した記事があった。その村の方々の様子は記者が訪れたことを手放しで歓迎して、感謝している様子が描かれていて胸が熱くなる思いがした。

犠牲者が少なかった分、悲しみにくれる精神的な抑鬱が他の被災地に比べたら少なかったのかもしれないが、それでも家を失い、財産を失った点では変わりがない。なのにそこの方々はおおらかでたくましく、他者への非難に明け暮れている様子は微塵もなかった。

それに対して、あの「土下座しろ」の怒声のシーン。あまりにかけ離れたリアクションの違いにショックを受けた。
日常の全てを奪われたのが天災よりむしろ人災といわれる原発からみの被災者だけに、怒りの矛先が東電に向けられることは自然な思考だとは頭では理解しているつもりであるが、他人を尊重することを既に忘れ、怒りに駆られた行為しかもはやできなくなるのであれば、この先の問題解決への対処をむしろ困難にしていくばかりではなかろうか。

たとえ自分が窮地に立たされた場合でも、自分は他者への感謝の気持ちは忘れず、謙虚でありたいとつくづく思わされた一件であった。

2011年5月5日

ウィキリークスとソニーの情報流失事件

朝日新聞 社説 ウィキ米公電―日本外交の病理あらわ
http://www.asahi.com/paper/editorial20110505.html?ref=any



この記事での論点だけ捉えれば確かに正当なものであるかもしれない、ただどうしても納得できないのはウィキリークスに対するメディアの姿勢である。朝日新聞はこれら一連の記事を掲載することによって、棚ぼた的な特ダネを諸手に粟状態で享受し、それを自社のネットワークで流し始めたということは、ウィキリークスの活動を肯定していることに他ならない。

問題を告発するという意味での内部告発は、ある意味正義感の現われとも捉えがちであるが、ウィキリークスが行っていることは純粋にハッキング行為であり、ソニーの個人情報流失と同じく、セキュリティの脆弱性をついた盗みであることには違いない。

ソニーの件にしても社の管理体制の甘さばかりが指摘されているが、問題はむしろそんなハッキング活動が一般的に受け入れられている現状にあるのではなかろうか。

この記事にもあるように、政府の内部文書は「ふつうは25年間とか一定期間を経て、審査の上で公開される」ものである。その原則が作られたのは国益を守るためであろう。是が非でもガラス張りの運営は政府においても企業においても不可能であることぐらい誰もが承知していることである。それを内部告発という「正義」の名の下に公に晒すことは果たして本当の正義であるのだろうか。

セキュリティに甘さがあったから他者の情報を取ってもいいのであれば、施錠の緩い他人の家や商店に押し入って物を盗む事も許されるのだろうか。なぜ後者は許されないのに前者が許されるのかという点が全くもって理解できない。今社会が非難すべき対象はハッカーに向けられるべきではないのか。鍵の向こうにあるモノではなくて、鍵を破って侵入する行為ではなかろうか。

勿論ソニーについては顧客の個人情報を預かることでビジネスを成り立たせている上では、施錠の緩みがあった事は許されない事であり反省すべき点である。しかしその一方で、ハッカー集団に対しては然るべき処罰を与える事が危急の課題である。

朝日新聞の記事については目の前にぶら下げられた特ダネに目が眩んで、本当の問題を見失っているように思われてならない。

2011年5月4日

偽善なのか

ビンラディン容疑者、武器持たず 米が「銃撃戦」修正  :日本経済新聞 http://s.nikkei.com/kapdgD


ラディン容疑者の死亡の報道があった際に、市民が歓喜したという報道があった時点で違和感を感じていた。

何千もの命を奪い、何万もの人の絶望感を作り出した罪はあまりに深く、そこから作られたとてつもなく深い溝を少しでも埋めるため、張本人であるラディン容疑者を捕らえることはアメリカの悲願であったことは想像に難くない。
ただ、その死亡報を受けた市民のリアクションが「歓喜」であるということは、いささか野蛮に思えて仕方がなかったのだ。

遠い歴史の戦においては敵方の大将の首を取ることが勝敗のシンボルであったわけだが、この洗練された現代においても結局は何ら変わっていなかったのではないかと。

映画スターウォーズではジェダイ騎士になるために、己の怒りがダークサイドに引き寄せる元凶であり、怒りに駆られることなく正義を貫けというのがテーマであったはず。多くのアメリカ人はこの教えに共鳴したことが映画のヒットに繋がったものだと思っていたが、現実の社会の中ではやはり怒りに駆られた今回の事件が、市民の歓喜を持って迎えられた風に受け取れた。

それが、今になってその経緯において、過酷な尋問があったことや、実際は武器を持たない容疑者を殺害したということが問題視されているとのこと。とても矛盾を感じる。国際法云々を持ち出すのであれば、ラディン容疑者の殺害そのものが野蛮な行為として受け取られるべきであって、決して「歓喜」して迎えるべきではなかったのではなかろうか。それとも当初の報道通りに銃撃戦が行われていたのであれば許されたことなのであろうか。

そんな意味では今回のこの記事については、市民の偽善ぶりを見せつけられているようでとても不愉快な気分になった。

2011年5月3日

ユッケの件

生食用牛肉出荷ゼロ「加熱用、生で提供」常態化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://bit.ly/k2fPVJ

なんだかとても不思議なのはこれだけ巷にユッケを提供するお店があるのに、厚労省の担当者(っているんだと思うけど)は自ら焼肉屋に行って「おや?」と思わなかったのだろうか?

問題店のキッチンの様子の映像を見ていて、グルーポンのお節問題のシーンを思い出したが、今の世の中、専門店といえども素人に毛が生えた程度の知識でお店を構えるのが多分普通になってきているのだろうなと想像すると外食が不安になってくる。

オランダのテレビ番組で「フードポリス」というのがある。
飲食店に飛び込み取材して、キッチンの中の様子を仔細にチェックするというもの。
中にはひどいところもあって、長い間掃除をしていないことが明らかな様子や、ペットのオウムをキッチンで飼っていたりと、呆れることもしばしば。その反面見事にチェックをクリアしたお店には番組特製の安全ステッカーを渡し、視聴者意外にも安全をアピールできる特権も貰える。好感が持てるのはお店側の悪い点に対してスキャンダラスに誇示することなく、公正な態度で接している点。反省すべきはしてもらい、必要以上に問題を強調する構成にはなっていない。(多分、日本のバラエティがこの手の番組を作るとしたらそうはいかないだろうと危惧するのだが)
こういう番組こそが視聴者保護の観点からもとても有意義だと思うのだが、日本の場合はコマーシャリズム最優先なので、なかなかこの手の番組はつくれないのだろうなぁ。


先の記事では生食用の牛肉出荷ゼロが判明とのことで、これから世論がどう動いて行くのかとても興味がある。
①基準設置が甘かった厚労省への非難
②加熱用肉を生食用として提供してきたフード産業への非難
個人的には②が正当だと思うのだが、スキャンダル大好きな産経あたりがまた食らいついてきて、①に流れていくことも大いに予想される。

それにしても、これまで問題にならなかったケースなのに、突然にしかも命をなくされた方を2名も出してしまって初めて認知された問題で、あまりにも不可解。徹底的な解明と改善が望まれる。

iPad2の日本での突然の販売について思う

4月28日に慌ただしく日本で販売開始となったiPad2。
これとSony Tabletは関わりがあるのだろうというのは、素人でも勘ぐるところ。

Sonyからの公式発表は4月27日になされた。

sony.co.jpからの抜粋


重要なお知らせ

2011年4月27日

株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント

PlayStation®Network/Qriocity™を
ご利用の皆様へのお詫びとお願い

2011年4月21日よりPlayStation®NetworkおよびQriocity™の障害が継続しており、お客様および関係各位に多大なるご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申しあげます。

弊社では、同日より各サービスの公式Webサイト上に障害の状況を都度告知すると同時に、本件詳細についての徹底調査を行ってまいりましたが、このたびPlayStation®NetworkおよびQriocity™に対する不正アクセスにより、2011年4月17日から19日にかけて以下のようなお客様のアカウント情報が漏洩していた可能性があることが判明いたしましたので、ここに深くお詫びを申しあげるとともに、その旨を報告させていただきます。


顧客情報漏洩の問題発生は4月17日~19日。4月21日からはPSNの接続障害を発生しているので、本来であればこの時点でなんらかの発表がなされるべきだったはず。

翻って、Sony Tabletの発表は4月26日。漏洩問題発表の僅か前日。

sony.co.jpからの抜粋


2011年04月26日
様々なネットワークサービスを快適に楽しめる、独自デザイン採用の
アンドロイド3.0搭載タブレット端末“Sony Tablet”を発表
~伸長を続けるPC市場に向けてはVAIOを強化~

ソニーは、様々なハードウェア、ソフトウェア、ネットワークを融合でき、優れた操作性などで快適なエンタテインメント体験を提供するタブレット端末“Sony Tablet”(ソニータブレット)を発表します。“Sony Tablet”は、「リッチ メディア エンタテインメント」を提供するS1(コードネーム)と、「モバイル コミュニケーション エンタテインメント」を楽しめるS2(コードネーム)の2機種を展開します。両機種ともに、2011年秋以降に順次、全世界で発売を開始する予定です。


個人的にはこの手の新型のプロダクトの場合、今までのSonyであればティザー広告を打つなりして、マーケットをジワジワ盛り上げていくだけの話題性を持つ新商品のはず。然しながら今回はメディアへの根回しも十分とは言えない唐突感は否めない。
どうしても漏洩問題発表の前にTabletの発表を間に合わせたかった事情を伺わせる。

一方アップルの動き。

apple.jpからの抜粋

iPad 2、日本、香港、韓国、シンガポール、その他8カ国で今週発売
2011年4月27日
2011年4月27日、Appleは本日、画期的なポストPCデバイスの第2世代となる、iPad 2(アイパッドツー)が、4月28日(木)に日本で、さらに香港、韓国、シンガポール、その他8カ国では4月29日(金)に発売されることを発表しました。日本におけるiPad 2の販売は、Apple直営店、およびソフトバンクショップなど一部のiPad取扱店で午前9時以降、オンラインのApple Store ( www.apple.com/jp/ ) では4月29日(金)の午前1時から販売が開始されます。さらに、Wi-Fi機能の付いたiPad 2が中国で5月6日(金)から販売されます。


一応日付は4月27日となっているが、27日の日中は何度かサイトをチェックしたけどこの発表は掲載されていなかったので、27日から28日に日付がかわる直前に公式発表されたのだろう。

もともとiPad2は既に3月上旬に行われており米国や他の国では販売が開始されていたし、日本での元々の販売開始が震災により延期されただけなので、販売の準備は既に整っていたはず。
それにしても、マーケットへの告知がギリギリになったのは、やはりSony Tabletの発表の情報を掴んでおり、ライバルの出方を探っていた様子が伺える。

どちらがどこまで知っていたのか知る由もないが、他社の様子を探りながら最善の効果をもたらすべく、現場ではギリギリの決断を迫られていたのだろうと想像される。

結果、Sonyは問題発表が送れたことで叩かれることになるのであるが、Sony Tabletの方がもう少し早く準備ができていれば、事情も変わっていたのだろうなぁ。

とすれば、犯人のハッカー集団もこの辺の事情を知った上で、このタイミングを狙ってきたのか?
それではあまりにもドラマティック過ぎるか。
それにしても、彼らがSonyに与えた打撃はとてつもなく劇大であり、犯罪者側が一番の利を成しているのは納得のいかない出来事である。